デンマーク高齢者ケアの新たな挑戦 視察研修実施

デンマークは1988年に、従来のプライエム(日本の特養スタイルの高齢者施設)を2010年1月1日をもって全廃することを宣言しました。同国の中でもとくに福祉施策に力を入れているネストヴェズ市は、すでに09年6月ですべてのプライエムを廃止し、新たにプライエボリと呼ばれる新たなケア付住宅に転換しています。
プライエボリは、住宅環境、生活スタイル、ケアのあり方等を革新、デンマークは今新たな高齢者サービスの実践に入りました。 |
●ネストヴェズ市市議会場での講義
デンマークのネストヴェズは、首都コペンハーゲンから電車で1時間のところにある自治体(コムーネ)です。近年、大規模な行政組織再編成を行い、14のアムト(県)、275のコムーネ(市)を廃止、5のレジオンと98のコムーネに統合しました。ネストヴェズ市は、合併後、人口8万人となり、ジーランド島最大の自治体となりました。
デンマークの高齢化率は、日本ほどのスピードではないものの、1980年の14.4%から、2008年には15.6%と上がってきています。そうした中、いかにコストを節約して、高い質の介護を提供するか、さまざまな面、たとえば、介護に関わる人材の資格、教育期間・教育内容・制度、資格ごとの可能な業務内容などには、これからの日本の介護の質の向上をめざすためのヒントがあります。認知症のケアにおいても数種類のタイプの住宅を作っています。
一方、日本でも、高齢者の住宅整備が大きな政策課題となっています。最晩年を自宅あるいは自宅に近い環境で暮らしたい、という願いに応える取り組みが始まっています。
自宅か施設かの二者択一ではなく、旧施設の改造・改善や、介護付住宅等を用意するなど、いわば「第3の道」を歩みつつある状況は、実は似ているとも言える日本とデンマーク。その現場を視察することは、市町村行政や高齢者ケアに関わる法人や専門職の方々にとって大変参考になります。
今回のプログラムは、8日間(研修4日間)の滞在型で、理論と見学を組み合わせています。特に、介護スタッフに同行し、介護現場の実際を体験することができるなど、実際的な研修となっています。
特に今回はご希望の方には、研修終了後、ドイツで開催される展示会「アルテンプフレーゲ」へもご案内します。高齢者施設・ケアに関する世界最大級の機器展示会です。福祉機器関係の業務に就いている方にもお勧めの内容です。
皆さまのご参加をお待ちしております。 |
研修期間 2010年3月15日(月)〜3月22日(月) 〔6泊8日〕
*展示会参加の場合、3月25日帰国〔9泊11日〕
研修参加費 お一人様 380,000円 【展示会参加は別途43,000円必要】
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*成田発の往復航空運賃、宿泊費(2人一部屋)、研修プログラム内の交通費、通訳費用、
ネストヴェズ市に支払う研修費用及び研修資料代、朝食7回、昼食1回、夕食4回分(機内食含む)を
含みます。
展示会参加の場合、ドイツ・ハノーバー市への航空運賃、宿泊費(2人一部屋)、朝食代を含みます。 |
研修の主な内容
●ネストヴェズ市にみるデンマークの高齢者用住宅施策の変遷とその結果
●高齢者住宅の建物の工夫と安全性の確保/福祉用具等の活用のあり方
●ケア・マネジメントの内容と特長は何か?
●プライエム(特養)からプライエボリ(高齢者賃貸住宅)に転換して、サービスの内容と質はどう変わったか?
●配食サービスの実情と運営状況
●福祉ケアに関わる人材育成の重要点
●認知症ケアの専門研修
●終末期に提供される医療ケアの内容 |
最少催行人数 20名
申込締切 2010年2月19日(金) ただし定員に達し次第締め切ります。
事前研修会 2010年2月27日(土) 13:00〜16:00 (予定)
企 画 特定非営利活動法人 福祉フォーラム・ジャパン
■お問合せ・お申込み
福祉フォーラム・ジャパン 事務局(デンマーク視察研修担当)
〒151-0053 東京都渋谷区代々木4-31-6 西新宿松屋ビル5階
TEL:03-5388-7260 FAX:03-5388-7210 E-mail:ffjinfo@ff-japan.org
ホームページ:http://www.ff-japan.org/
| 歓迎のことば |
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今年もネストヴェズ市に研修ツアーを行うと聞き、大変嬉しく思います。高齢者ケアにおける私たちのノウハウを皆様にご覧いただけることは大変意義深いことであり、皆様が研修ツアーに参加くださることに感謝します。私たちは皆さんの訪問をとても楽しみにしています。
プログラムは高齢者ケアの基本的な政策や職務について学び、高齢者施設で働くネストヴェズ市のヘルパーと一緒に演習も行います。研修では2007年より行われた社会や医療の地方自治における改革についての紹介もします。
ネストヴェズ市長として、日本とデンマークのノウハウを交換するという、意義深いことを継続してきた今後がとても楽しみです。
ネストヴェズ市長 ヘニング・イエンセン |

●補助器具センターにて器具提供の現状や管理方法を学ぶ |

●市の厨房施設にて配食サービスを学ぶ |

●アクティビティセンターの詳細な見学 |

デンマークは、世界中でもっとも行き届いた福祉制度を確立した国のひとつとして知られています。この
たびNPO法人福祉フォーラム・ジャパンが、同国でも有数の福祉先進都市であるネストヴェズ市と提携い
たしました。そして昨年11月には、同市の福祉関係幹部を招き、東京・大阪・名古屋でデンマークセミナー
を開催しました。
それに続きこの3月中旬から、現地視察研修を行うことになりました。今なぜデンマークの福祉を学ぶ意
味と必要があるのか、ご紹介をいたします。

デンマークでは、国民の医療・教育・福祉は原則として国家の責任と負担により提供されています。つまり無料です。一方で、平均的な国民の税負担は所得の50%程度、付加価値税は25%という、高福祉高負担の国でもあります。
しかし、医療や福祉、教育にそれほど力を入れていながら、デンマークは世界中で経済成長率がもっとも高い国のひとつで、経済は安定的に発展しています。また食料自給率はなんと300%。国民が必要とする食料の3倍も生産しているという、豊かな国です。
09年9月に出版されたPHP新書「世界一幸福な国デンマークの暮らし方」という本が私の手元にあります。著者は千葉忠夫さん。67年にデンマークに初めて行き、同国の福祉を勉強し、現場活動に従事。生涯の師となるノーマライゼーションの実践提唱者、バンクミケルセン氏に出会いました。日欧文化学院やバンクミケルセン記念財団を設立し、学院長・理事長をしています。デンマークと日本の架け橋となっている方です。昨年11月に開催のデンマークセミナーを前に、氏の本からあらためてデンマークのすばらしさを知ることができました。
私自身は最初にデンマークを86年に訪れ、これまでに30回以上も訪問しています。いつも短い滞在ですが、国民の生活は豊かで、余裕のある暮らしぶり、そのためか穏やかな国民性を感じます。そして何よりも国民の8割が、「税金は高いけどデンマークに生まれてよかった」と誇らかに言えるこの国はすばらしいと思います。
デンマークは人口540万人。日本と比べれば小さな国です。ではそのデンマークがなぜそんなリッチな国になったのでしょうか。 |

もともとは大変貧しい国でした。アンデルセン童話に、「マッチ売りの少女」という話があります。千葉さんの本にもその紹介が出てきます。偕成社の世界の幼年文庫によれば、アンデルセンは1805年、今から200年ほど前にオーデンセで生まれました。家は貧しい靴屋でした。苦しい生活と闘いながら歌曲や詩の勉強をし、幸運にも援助してくれる人がいて、大学に入ることができ、才能を発揮し、小説家としての地位を築いていきました。
「マッチ売りの少女」の物語は、雪の降る寒い大晦日の夜、暗い通りをみすぼらしい女の子が一人、帽子もかぶらず、はだしで歩いているシーンで始まります。おなかはぺこぺこ、寒さのためにぶるぶる震えながら歩いている哀れな少女。マッチは1本も売れずに通りの家と家の間にからだを縮めてうずくまってしまいました。あまりの寒さに売り物のマッチを1本すりました。目の前に暖かいストーブが浮かび、しかしすっと消えました。また1本すりました。真っ白い布のかかっているテーブルにはスモモやりんごを詰めたガチョウの丸焼きが湯気を立ててのっていましたが、また消えました。また1本と、すっているうちに死んだやさしいおばあさんが光り輝いて立っているのが見えました。少女は全部のマッチをこすり、おばあさんに抱かれる夢を見ながら死んでいったのです。その頃のデンマークはこの童話にあるように、どこの家もとても貧しかったのです。 |

1929年の世界大恐慌では国民の多くが職を失い、みな食べるものにも窮しました。政府は二度とこの苦しみを国民に与えてはいけない、と本格的に社会福祉制度の確立への取り組みを開始しました。
元福祉省大臣のアナーセン・デンマーク大学教授は、かつて私にこう語られました。「所得が少なければ生活が苦しくなります。所得を確保するためには仕事や雇用を確保しなければなりません。また人口が少なければ国の生産力も拡大しません。デンマークでは女性も含め、国民全体が質の高い生産力、担い手になってもらう必要がありました。だから、育児、福祉、医療などに力を入れる必要があったし、質の高い労働力の確保のために教育を充実し、金持ちだけが医療や教育を受けられるのではなく、国民の誰もが健康で、社会で必要な人材になることが必要だったのです。そこで国民すべてが安心して働ける制度や環境づくりに力を入れてきました。」
デンマークでは出産後、病院から退院してくると、何も連絡しないのに、保健師がすぐに自宅に訪ねてきて、サポートを開始するそうです。病院と地域(市)との連携がしっかり取れているからです。
また国民全員にケースワーカーが付いていて、何か問題があったり、制度の利用などについてわからないことがあれば、その解決やアドバイスに協力してくれるそうです。日本では、何か制度を利用したくても、国民が役所に申請しないかぎり受けられません。デンマークは大違いで、国が積極的に国民を支えているのです。 |

わが日本は世界第2の経済大国と言われてきました。でも実態はどうでしょうか。わが国の貧困率は2005年15.3%、2008年15.8%と悪化し、OECD加盟国中なんと4番目に貧困な国に転落しました。失業などで生活できなくなったり、さまざまな問題を抱える人が多く、自殺者は毎年3万人を越えています。
デンマークでは、自殺はあっても精神的な病がその原因であって、貧困で自殺する人はいないと、ネストヴェズ市の福祉部長は明言していました。
日本では2000年に公的介護保険制度ができました。しかしサービスを受ける際の1割の自己負担を払えないことなどを理由に、受けられる介護サービスを利用しない人が数十万人もいます。家族介護のために一家の働き手が仕事をやめたり、ついには家族介護も不可能となって、親殺しや老夫婦の心中などの事件は毎週のように全国でおきています。最近では新聞やテレビのニュースにもならなくなってきました。
都会の公園や大通りにはホームレスの青いテントが林立しています。失業者は増え続け、また国民平均の実質収入はこの10年間減り続けています。
デンマークのような社会福祉の充実した国では、国民を飢え死にさせないことをキーワードにしているそうです。 |

デンマークが国民のために福祉や医療に力を入れているとはいえ、決して国のお金をジャブジャブ使っているわけではありません。高齢者や障害者の福祉について、できるだけ主体性や尊厳性を確保することを大切にしつつ、国民負担が重くならないよう効率性を図っています。費用対効果についての国民全体の意識はわが日本よりもたいへん厳しいものがあります。
プライエム(特養スタイル)をやめて、プライエボリ(新しいケア付住宅)のコンセプトや制度に発展させたこともその理由でもあります。フレキシブル(柔軟性)とセキュリティー(保障、安全性)を融合化した新しい理念と取り組みは「フレキシキュリティ」という新たな言葉、概念をデンマークに創出しました。
また、福祉にかかわる様々な専門職の教育、人材養成にたいへん力を入れていることは福祉の質を高めています。わが国のように、わずか120時間の講習で介護保険サービスに従事できるのではなく、最低でも14ヶ月もの教育がなされます。
今回のスタディツアーでは、「高齢期にどこで、どのようなケアを受けることが、真の自立〔自律〕なのか?」を考える機会となりましょう。いま福祉関係者やサービス従事者は、『尊厳を保つ』ケアという言葉を安易に口にしますが、『尊厳あるケア』とは、実はどういうことなのか?を学ぶことができる研修視察になります。
新しい理念と方法に取り組むデンマークの福祉を学んでいただき、新たな日本の福祉、高齢者ケアを皆でつくりましょう。
(なお、修了者にはネストヴェズ市長より研修証明が発行されます。) |

これほど社会福祉に税金を使いながら、
なぜデンマークは経済成長を遂げることができているのか? |
| デンマークでは、女性の75%が就労しているが、これを実現するため、高齢者介護や子供保育を充実させる必要があった。より高い教育を受ける機会を子どもに与えることで、ビジネスにおける競争力の強化を図ってきた。「フレキシキュリティー」という言葉は、フレキシブル(柔軟性)とセキュリティー(保障)を一緒にした造語である。失業時の保障を充実させることで、企業は経営的危機を回避し、従業員は生活の保障の確保ができている。そうしたシステムで、経済成長を促進できてきている。 |
「プライエム」(特養スタイルの施設)から「プライエボリ」
(新しいケア付住宅)で高齢者のケアや生活はどう変わったか?
またスタッフはどう変わったか? |
| ネストヴェズ市では、09年6月で最後のプライエム(特養スタイルの施設)が廃止され、これですべてのプライエムがなくなった。そして新たにプライエボリ・シンフォニーがオープンした。この新しいケア付住宅に入居した高齢者は、例えば食事の時には、テーブルにお皿を並べたりなどさまざまなことを自分でするようになり、自分たちの能力を取り戻した。スタッフは高齢者が自分の生活に責任を持つように仕向けていった。プライエムのシステムに慣れていた高齢者や家族は、最初は新しいケア付住宅では安全性に欠けると感じたようだ。しかし高齢者は、今では介護を受けるより主体的な自立(律)生活を得られる意欲をもち、またPTによる訓練を待ち望んでいる。 |
| 市が提供している高齢者用住宅及びケアの提供の概略は? |
近年、市の福祉政策ではコストの透明性と品質管理がより重要になっている。中心となっている3つのポリシーがある。第一に、生活の継続性、第二に個人の資源を最大限に活用すること、第三に、個人の環境整備には自治権を与えるべきである、ということである。ネストヴェズ市の人口は約81,000人、65歳以上の高齢者は16%で約13,100人。そのうち何らかの高齢者サービスを受けている人は2,300人(約18%)である。ネストヴェズ市の高齢者用住宅は高齢者人口の約4%、570人分であるので、残りの人たちは自宅で暮らしている。自宅で生活するために必要なサービスを提供し、サービスの提供量に上限はない。つまり必要なサービスは必要な分だけ提供するということだ。
新たなコンセプトのケア付住宅を用意することが求められた背景には、「ケア付住宅」の形態が人的コストとケアの質の維持を図るのに適していると考えられたからである。 |
デンマークでは平均在院日数は徐々に減り、現在は4.5日。
日本では病院で死ぬ人の割合が82%。デンマークでは、
死に近い人々の場合、介護職は、医療行為をどこまで行うか? |
| デンマークでは高齢者が病院で亡くなる比率は20%以下であり、高齢者施設での医療行為は、インシュリン注射や経管栄養、酸素吸入などを行い、胃ろうも医師が必要と判断すれば行うが、数は非常に少ない。ケア付住宅においての看取りは、家庭医と相談して看護師が痛みの緩和を行う。デンマークには「Die with shoes on 」という言葉がある。「靴を履いたまま死にたい」という意味であるが、古くはバイキングの時代からデンマーク人は戦う民族としての歴史があり、これがデンマーク人の死にゆくときの希望の姿だ。 |
退院後、それまでの家に住むことが困難な人に対しては、
その住居に関しては市が責任を持つこととされているそうだが? |
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自宅に帰って生活ができない状況の場合、適切な住居を用意する責任が市にある。もし適切な住居が無く、退院を延期せざるをえない場合には、法律によってペナルティを市が病院に対して1日大体3万円の割合で払う。市は2ヶ月以内に適切な住居を用意しなくてならない。
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重度の認知症高齢者の場合、在宅で暮らすことはかなり難しいと思うが、
ケア付住宅への入居は、誰が判断、決定するのか? |
| 家族である。認知症には他者との関わりがよい効果をもたらすことも知られており、複数の高齢者と暮らすことはメリットがある。新しいスタイルのケア付住宅のキルデマークセンターでは、1ユニットが11人〜12人で構成されている。1ユニットに4人の認知症高齢者や重度の認知症の方もいる。ネストヴェズ市では、キルデマークセンターのように認知症高齢者と非認知症高齢者が一緒に暮らしているセンターもあれば、2009年に完成したシンフォニーセンターのように認知症高齢者のみを集めユニット制にしたセンターもある。すでにケアの資格を持ったスタッフでも、認知症高齢者のケアのために、特別な3週間の教育プログラムを追加的に受ける。認知症には様々な症状があるので、多様性を知る教育、高齢者に合わせた対応方法の教育を受ける。また認知症カウンセラー(認知症に関する特別な教育を受けた看護師)という資格をもつ専門職がいて、介護職・看護職はケアについてのアドバイスを受けることができる。 |
| 「介護職」は14ヶ月の養成コースで、講義と実習が半々である。もうひとつ上の資格として「社会保健アシスタント」がある。これは介護職の14ヶ月のコースに加えて、さらに20ヶ月の教育を受ける。実習は、病院、在宅、精神医療の3か所で行う。また、いずれも教育期間中は給与を受けることができる。給与は専門職のユニオン(労働組合)、市、国の三者による取り決めによる。一般企業の給与に比べると介護職の給与は低い。「介護職」で年間DKK265,000(約5百万円)である。「社会保健アシスタント」は、看護師によるOJTの教育・訓練を受けることにより、看護師から業務を委任される。以前はインシュリンの注射が必要な高齢者には看護師が訪問して行なっていたが、「社会保健アシスタント」であれば、介護と看護の業務ができる。一人のスタッフがより多くの業務をすることができることで、効率は高まる。 |
| デンマークでは、市に「高齢者評議会」(Elderly Committee)の設置が義務付けられ、60歳以上の高齢者にこの会の選挙権・被選挙権があり、4年に一度の選挙で選ばれた評議員は、高齢者の生活の質をあげるため、さまざまな提案を市に対して行っている。たとえば在宅の高齢者への配食サービスの食事について、民間の配食サービス会社が用意しての試食会が行われていたが、これは高齢者評議会の主催で、120名余の高齢者が意見を述べていた。高齢者評議会は、市の施策・サービスが適切であるかどうかを評価するものとして重要な役割を担っている。研修の期間中にこの評議会による何らかのスケジュールが組まれれば、傍聴させていただく。 |
ケアの質の向上、維持のためには、介護職の人材育成等の教育が非常に重要である。資格をとってからも更なる専門知識を得るための訓練プログラムが提供されていることは、日本にとっても大変に示唆に富むものである。
デンマークでは、国・市の責任として高齢者の住宅施策を1970年代から準備してきたことが、今日「安心できる社会」を作り出すことができている要因の一つである。日本と違い諸外国の多くでは、住宅施策は社会保障の重要な項目の一つとされている。日本でも住宅施策等を福祉施策の一環として明確にしていく必要がある。日本の住宅施策はよく「持ち家政策」だと言われるが、これは逆に住宅を福祉施策として国が考えておらず、国民が自分で行なっているにすぎない。
またデンマークでは、高齢者施策を継続的にドラスティックに改革をしてきており、メリット・デメリット含め、その実態を知ることは私たちにとって、これからの介護のあるべき内容や質について学ぶことができる。デンマークの現場で学ぶ重要な点である。 |
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