ご相談事例

成年後見制度とその利用のしかた

2017年11月20日

ご相談

ひとり暮らしの弟(60歳)が定年退職後自宅で倒れ、救急搬送されました。手術を受けたが片マヒで言語障害も残りました。現在、回復期リハビリ病院に入院中です。要介護4に認定される見込みで、退院後の自宅でのひとり暮らしは困難なので入居施設を探しています。こちらもいろいろ事情があり、遠方にいるのでいろいろなことを見てやることができないので、成年後見制度を利用したいと考えています。その制度と利用のしかたについて教えてください。

長兄(70歳代)

相談室より回答

成年後見制度とは:

平成12年4月に介護保険とともに始まりました。身寄りのない方や認知症高齢者が年々増え続けていることもあり、この制度の利用申し立て件数も平成27年の1年間で 34,782件と年々増加傾向にあり、制度の利用が着実に進んでいます。

成年後見制度とは、認知症、知的障害、精神障害などの理由で判断能力が不十分な方に代わり、家庭裁判所などで選任された親族や弁護士などが、本人の利益を考えながら、財産の管理や介護などのサービスや、施設への入所に関する契約、遺産分割の協議などを担い、判断能力の不十分な方々を保護し、支援する制度です。そして、大きく分けると、「法定後見制度」と「任意後見制度」の2つがあります。

  1. 「法定後見制度」は、判断能力が既に失われたか、または不十分な状態となり、自分で後見人を選ぶことが困難になった場合利用されます。
  2. 「任意後見制度」は、まだ判断能力が正常である人、または衰えたとしても、その程度が軽く、自分で後見人を選ぶ能力を持っている人が、前もって公正証書で任意後見契約をしておく制度です。

ご相談のケースには法定後見制度の利用をおすすめしました。

「法定後見制度」の申し立て方法:

申し立てすることができる人は、本人、配偶者、4親等内の親族、検察官、市町村長などで、もよりの家庭裁判所後見センターに申し立てます。

鑑定および調査の結果、認められた判断能力の不十分さの程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の開始の審判を受け、家庭裁判所が選任した後見人、保佐人、補助人がその事務を行うことになります。

後見人等の役割:

成年後見人等の職務は、自宅等の不動産や預貯金等の管理、年金等収入の管理、税金や公共料金の支払い等々の本人の財産管理と、医療保険や介護保険に関する諸手続き、入院や介護施設入所・介護サービス提供契約の締結、入院・介護費用の支払い、生活費を届けるなどの介護や生活面の手配で、本人の身の回りの事柄にも目を配りながら本人を保護・支援します。
また、成年後見人等の行う事務については、家庭裁判所に報告し、家庭裁判所の監督を受けることになります。

成年後見人等への報酬(利用者の費用):

成年後見人等への報酬は、家庭裁判所が利用者本人の財産の額や当該事務の内容、その他の諸事情を総合して決定し、本人の財産から支出されます。