介護老人福祉施設きたざわ苑 デンマーク グルドマン社製 天井走行リフトを導入

2021年11月16日

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社会福祉施設における腰痛予防対策は一部の介護現場の問題ではなく、今日では、事業環境の共通課題として認識されています。抱えない介護の実践や移乗機器の活用などを通じて、各施設が労働環境改善に取り組んでいます。令和3年度の介護報酬改定でも、職場環境等の要件として腰痛対策が示されており、人材確保や感染予防の観点からも重要な課題として認識されています。

きたざわ苑様は、世田谷区の令和2年度計画で施設の大規模改修工事を行い、老朽化した設備関係の入れ替えと外壁工事を行いました。そのタイミングに合わせて、

  • トイレのある4床室と2床室に計6台、浴室の個浴に2台のデンマークのグルドマン社製天井走行リフトの導入
  • 個浴型入浴機器スプロールを3フロアー各2台ずつ計6台の導入
  • 従来からある浴槽に対応できる支柱型の入浴リフトのアクアポートELを大小の浴槽に1台ずつ導入

を行いました。

 

社会福祉法人正吉福祉会の理事である岩上総合施設長

今回、社会福祉法人正吉福祉会の理事である岩上総合施設長に、導入にあたっての狙いや選定について話を伺いました。

(写真、岩上総合施設長)

天井走行リフト、入浴機器などの導入の狙い~  

介護老人福祉施設での自立支援介護は当然行うべきと考えますが、生理学的に人間が老いていくことによる身体的自立の衰退は必ず起こってきます。特に、介護老人施設への入所基準が要介護度3以上となってからは、改善することも当然ありますが、改善できないこともあるのは周知の事実です。

介護が必要となっている高齢者に対して、職員による抱き上げるなど、力に頼る介護がいまだに行われることは、ご利用者にとってみれば、抱き上げられる不快感や、移乗に対する安定性や安全性を他者にゆだねることになる不安感に繋がります。職員側で考えると、労働災害ともいえる腰痛の発生に対し、労働基準法に準拠した業務改善が必要です。天井走行リフトを初めて導入し、入浴機器も入れ替え、業務改善を行うことで自立支援をさらに効果的に推進し、職員の健康を守ることを主眼に導入を行いました。

いまだに、「正しくトランスファーを行えば腰痛を防げる」と発言をする方がいますが、それは誤りであると考えています。当施設では人力に頼る介護は専門的介護とは言わなくなっており、天井走行リフトの導入を選択することに躊躇はありませんでした。

床室に導入された グルドマン社製 天井走行リフト

【床室に導入された グルドマン社製 天井走行リフト】

 

入浴設備に関しては、従来の順送式浴槽から脱却して、自立支援浴槽と、一般個浴にリフトを導入することにしました。あらゆる身体状況の人に、その方にあった入浴形態を選択し、快適な入浴サービスの実施を行うことを主眼に、職員に浴槽導入について意見と提案を求め、リハビリ担当職員からのプレゼンを採択しました。また、併せて、ナノミストバスとナノミスト洗髪機器を導入し、浴槽で入浴困難である場合や、皮膚の保温・保湿効果、または、美容効果を期待して移動式風呂を準備しました。この入浴システムは少量の水で入浴ができるため、災害時にも衛生状態を保てるようにすることを目的に導入しました。

個浴型入浴機器スプロール】

【個浴型入浴機器スプロール】

入浴リフトのアクアポートEL

【入浴リフトのアクアポートEL】

選定にあたり

まず、同等の機器を複数調べました。確認点は、①福祉施設への導入実績、②機器の安全性、③過去における事故件数とメーカーの対応、④導入施設の意見、⑤メンテナンスの評価、⑥機器導入にあたっての職員への研修体制の協力、⑦職員個々の同機を使用しても大丈夫かのスキル測定への協力体制、です。
そして、大切なことは、互いに信頼できるかどうかだと思っています。

 

【天井走行リフトと入浴機器などを導入された きたざわ苑様のご紹介ビデオ 15分20秒】

きたざわ苑様 施設概要

社会福祉法人正吉福祉会 介護老人福祉施設きたざわ苑。東京都世田谷区。定員100名。短期入所25名。通所介護50名。居宅介護、訪問看護、訪問介護、障害福祉サービス、配食サービス等併設。施設の理念「利用者、家族、地域、職員が笑顔と元気あふれる施設になる」、コンセプト「24時間365日自分が望む場所で生活ができ、綺麗な身体で終末期が迎えることができる」、行動指針として「聴く」「分かる」「思いやる」「守る」を実践しています。

きたざわ苑様のHP → きたざわ苑HP  

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