福井市 全市立小中学校に58のバリアフリートイレを設置

2025/10/23

概要

バリアフリー法の改正(2020年)により、バリアフリー基準への適合義務の対象となる特定建築物に、公立小中学校などが位置づけられました。

福井市教育総務課では、学校バリアフリー化に関する整備目標を受けて、避難所にも指定されている市立の全小中学校に、58のバリアフリートイレ「スマートトイレ」を設置しました。

詳細

設置の背景

バリアフリー法の改正(2020年)により、バリアフリー基準への適合義務の対象となる特定建築物に、公立小中学校などがようやく位置づけられました。
※2021年4月以降に新築等される公立小中学校は対応が必要

この背景にあるのは、障害の有無にかかわらず、共に学べる「インクルーシブ教育」を実現することが明確にされたことです。

インクルーシブな教育・生活の実現のためには、学校施設のバリアフリー化が重要な手段となります。

また、学校施設には選挙の投票会場が設置されたり、公立小中学校等の9割以上が災害時の避難所に指定されていることから、地域の高齢者や障害者も含め、誰もが利用できるようにすることが求められています。

福井市の対応

福井市教育総務課では、国の学校バリアフリー化に関する整備目標を受けて、避難所にも指定されている学校施設内に車いす使用者用トイレを整備するための事業を進めました。

令和5年度に小学校30校、令和6年度は小中学校あわせて28校にも整備し、2年で全ての市立小中学校にバリアフリートイレを設置しました。

避難所のバリアフリー化であることも考慮して、体育館などに車いす使用者用トイレを単年度で整備するため、建築工事よりも短期間で経済的な「スマートトイレ」が選定されました。

スマートトイレは体育館の用具倉庫や更衣室などにも設置され、体育館が避難所として開設された際の障害者用トイレとして活用されます。

市立K小学校では、体育館と校舎の通路に面した昇降口にスマートトイレが設置され、扉部分にトイレの説明を掲示しています。

教頭は「児童のみならず学校を利用する地域の方々へ、さまざまな障害者が地域で共に生活することへの理解を深めたい。そのためにあえて目立つ昇降口にスマートトイレを設置しました」と設置場所を指定した目的を話しています。

市が令和2年に実施した市民意識調査では、全体の87.0%が「福井市に住み続けたい」と回答しています。

豊かな自然風土と厳しい自然環境の下で、障害の有無に関係なく多世代が地域で共に暮らし続けるために、学校バリアフリー化への整備が進められています。

福井市内外の他校では、移動の負担を軽減するためにスマートトイレを支援教室内に設置したり、保健室に設置して体調不良の生徒が利用しやすくしたりするなど、設置場所にもさまざまな工夫がみられます。

導入商品

今回設置されたバリアフリートイレ“スマートトイレ
スマートトイレは床下配管不要の画期的なトイレ。給排水は天井や壁を通すため、設置場所の自由度が広がります。

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