公共施設・商業施設のバリアフリー化事例のご紹介

2021年01月13日

アビリティーズは、誰もが安心して利用できる施設環境の実現に向けて、また障害者差別解消法が示す合理的配慮の推進をめざし、公共施設・商業施設のバリアフリー化を支援しています。今回は、この中から最近の7事例をご紹介します。

++──目次──────────────++
1.新国立劇場(東京・渋谷区)に車いす用階段昇降機を2機設置
2.長野県・諏訪湖にバリアフリーの新型遊覧船が就航
3.ホテルカデンツァ光が丘 客室をユニバーサル化
4.鎌倉市 割烹・蕎麦「波と風」いす式階段昇降機でバリアフリー化対応
5.俳優座劇場(東京・六本木)、高齢者やお体の不自由な方優先トイレを設置
6.車いすの生徒も安全に校内を移動できるよう、ブロックビルドでスロープを設置
  山口県立宇部総合支援学校美祢分教室、山口県立長府高等学校
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1.新国立劇場(東京・渋谷区)に車いす用階段昇降機を2機設置
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新国立劇場は、オペラ、バレエ、ダンス、演劇という現代舞台芸術のためのわが国唯一の国立劇場です。今までも、障害がある方の利便性向上のために様々な改善が施されてきましたが、今回、小劇場に車いすユーザーの階段昇降の補助として、車いす用の階段昇降機を導入しました。客席は入口フロアから見て上階、下階の二層となっているため、2台の昇降機が導入されました。
設置された車いす階段昇降機は、ギャラベンタ社のアルティラです。この製品は世界中で利用されています。
https://www.abilities.jp/barrier_free/barrier_free_works/public_facilty/New-National-Theatre

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2.長野県・諏訪湖にバリアフリーの新型遊覧船が就航
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「遊覧船から見る諏訪湖の花火」はツアーの目玉商品でしたが、遊覧船の屋根が邪魔して、船内の一部の方しかご覧いただけませんでした。
この問題解決の検討中に、バリアフリー新法に、旅客船をバリアフリー化するための望ましい整備内容等を示す「旅客船バリアフリーガイドライン」が策定されました。「乗船されたお客様すべてが、どんな状況でも同じ条件で花火を見ていただくためにどうすればよいか?」という議論を繰り返す中で、「階段昇降機及び車いす用トイレを備えた新型の遊覧船を作る」という発想が出てきました。
スワコスターマイン号は、「乗船されたお客様すべてが、どんな状況でも同じ条件で花火を見ていただく」のコンセプトで生まれたバリアフリー遊覧船です。
https://www.abilities.jp/barrier_free/barrier_free_works/public_outdoor/suwako-kankosen

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3.ホテルカデンツァ光が丘 客室をユニバーサル化
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「ホテルカデンツァ光が丘」は、練⾺区唯⼀の地域密着型のシティホテルです。光が丘には大規模なUR団地があり、多くの訪問者があります。
今回、ご高齢の方や身体に障害がある訪問者にも利用できるようにツインルームをユニバーサルルームへ改修されました。当社の一級建築士事務所バリアフリー設計建築研究所がユニバーサルルーム化への基本設計と施工管理を担当しました。
ユニバーサルルーム化への改修費と備品購入には東京都宿泊施設バリアフリー化助成金が活用されました。
https://www.abilities.jp/barrier_free/barrier_free_works/public_facilty/h-cadenza

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4.鎌倉市 割烹・蕎麦「波と風」
いす式階段昇降機でバリアフリー化対応
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古都鎌倉の大仏様近くに割烹・蕎麦「波と風」があります。お店は建物の2階にあるので、階段を利用しますが、常連のお客様には高齢者や階段の昇り降りが難しい方もいます。
オーナーの柴山様は「多くの方にお店に来て頂きたい」との思いから、「いす式階段昇降機」を設置して階段のバリアフリー化を行いました。
改修後、お客様からは「降りるのが大変だったので助かる」「階段を昇れなくなってもずっと通い続けられる」など、階段がバリアで無くなったことで、今後も楽しみにしている料理が味わえることを喜ばれています。
椅子式階段昇降機は既存の階段に取り付けられ、昇降路の建築費もかかりません。椅子式階段昇降機は低コストで建物のバリアフリー化が実現できます。
https://www.abilities.jp/barrier_free/barrier_free_works/public_facilty/kappo-nami-kaze

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5.俳優座劇場(東京・六本木)、高齢者やお体の不自由な方優先トイレを設置
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俳優座劇場は東京都港区六本木に1954年に開館した歴史のある劇場です。1980年に改築されて数多くの演目が上演されています。劇場では来場者の高齢化やおからだの不自由な方の利用拡大のため、既存のトイレ3ヶ所のうち1ヶ所をバリアフリートイレに改修しました。
劇場の限られた休館日を利用して改修するため、短期間で改修できるアビリティーズ・ケアネットが開発した 車いす用スマートトイレが採用されました。スマートトイレは、通常1日で完成する水洗式バリアフリートイレですので、劇場の限られた休日を利用して改修が可能です。トイレ改修に合わせて、階段に連続手すりも設置れ、高齢の方も安心して劇場を利用できます。
https://www.abilities.jp/barrier_free/barrier_free_works/public_facilty/haiyuza

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6.車いすの生徒も安全に校内を移動できるよう、ブロックビルドでスロープを設置
 山口県立宇部総合支援学校美祢分教室、山口県立長府高等学校
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山口県立宇部総合支援学校美祢分教室
通路から教室へ出入りするには2か所の段差があり、板を渡したりしてしのいでいましたが、現場の寸法にぴったりと合わず、万全ではありませんでした。
採用したブロックビルドは小さなブロックを組み立てるもので、現場の段差にフィットしたスロープを設置できました。安全性を高めるため、表面の滑り止めとしてスリップストップを加え、また、脱輪防止チューブも設置しました。
子どもたちは色鮮やかなスロープを見ると喜び、楽しそうに移動しています。
https://www.abilities.jp/barrier_free/barrier_free_works/public_facilty/2797

山口県立長府高等学校
障害のある生徒の入学を前に校内の段差を確認したところ、階段以外にもさまざまな段差があることが分かりました。一つ一つは2段や3段の段差でも車いすを使用する生徒が限られた時間の中でそれらを上ったり、下ったりするとなると、大変です。
3段の段差に、約1:12 の勾配のフラット正方形スロープタイルを使ってスロープを作りました。
安全性を高めるため、表面の滑り止めとしてスリップストップと脱輪防止チューブも設置しました。
設置は、学校が春休みに入った2日間に、校内4か所の段差に行いました。
https://www.abilities.jp/barrier_free/barrier_free_works/public_facilty/2794

次のページでは、アビリティーズの「高齢者・障害者向けの住宅改修とバリアフリー化」事業と各種関連情報をご案内しています。多くのバリアフリー事例の掲載がありますのでご参照ください。
https://www.abilities.jp/barrier_free

上記に関するお問い合わせは,
一級建築士事務所 アビリティーズ・ケアネット(株)バリアフリー設計建築研究所
Tel03-5388-7515 email :barrier_free@abilities.jp

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