制約の多い重症心不全患児に 歩行訓練車を使用し 成長・発達を促す

※画像はイメージです。
概要
体外式補助人工心臓(LVAD)を装着している乳幼児のリハビリテーションを行っている小児医療施設で、LVAD装着の影響で寝返りやうつ伏せといった姿勢や動作が制限されている中、成長・発達を促すことが課題となっていました。
歩行練習の支援を目的として歩行訓練車「ペーサーダイナミック」を導入し、患児が自らの力で身体を動かす機会が増加するという成果が見られました。
オプションを駆使することによりLVADを装着した乳幼児に対するリハビリテーションに新たな選択肢と安全な環境が得られたと評価されています。
詳細
小児医療施設は、重症心不全により入院し、心臓移植までの期間を体外式補助人工心臓(LVAD)を装着して待機している乳幼児のリハビリテーションを行っています。
これらの患児は、LVAD装着の影響で寝返りやうつ伏せといった多くの姿勢や動作が制限されており、成長・発達を促すうえで大きな課題となっていました。
また、医療・リハビリ専門職は従来のリハビリ機器を工夫して活用していましたが、LVAD本体や送脱血管部との接触が避けられないケースもあり、安全性の観点から使用できない場合も少なくありませんでした。
このような背景から、より安全で柔軟に対応可能な福祉機器の導入を探していました。
2025年2月、歩行練習を中心とした動作訓練の支援を目的として、歩行訓練車「ペーサーダイナミック・S」「胴支え・S」「ペーサーハンドル」「ヒップポジショナースリング・S」を導入しました。
導入後は安全に歩行練習ができるようになり、また運動発達へのアプローチが可能となり、特にLVAD装着という制限の中でも患児が自らの力で身体を動かす機会が増加するという大きな成果が見られました。
また、介助スタッフにとっても、安全性の高い環境で訓練を実施できることで精神的・身体的負担が軽減されるという評価を得ています。
歩行車としては高額であり導入は容易ではないですが、利用者家族から「安全に歩行練習ができるようになった」など声もあり、各種のオプションを駆使することによりLVADを装着した乳幼児に対するリハビリテーションに新たな選択肢と安全な環境が得られたと評価しています。
導入機器の概要
ペーサーダイナミック(標準車輪・ライム・S) ※写真はレッド

本体最高位

本体最低位

ヒップポジショナースリング(S)装着

胴支え(S)・ハンドル装着
※ペーサーSサイズは、肘の高さの目安が47~70cmの範囲で適合可能。、概ね適応身長は80~120cmの幼児が対象。
※幼児の発達状態を鑑み、体の支えは「ヒップポジショナースリングS」または「胴支S」をそれぞれ適用。
導入商品
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